川崎市 金程万葉苑

f:id:hisakyonsan:20221106112008j:imagef:id:hisakyonsan:20221106112016j:image秋晴れに誘われて新百合ヶ丘の万葉苑へでかける。駅から20分程の道のりをスマホのマップ機能を使いやっと着いた。スマホには坂道かは読み取れず、ずっと上り坂、きつかった。

 

家ろには葦火焚けども住み良けを筑紫に至りて恋しけもはも   巻20-4419

 

草枕旅の丸寝の紐絶えば我が手と付けろこれの針持し    巻20-4420

2首とも防人の歌

 

めぐろ区民キャンパスの万葉歌碑

円形の石に三首が詠まれています。これらは8世紀頃に東京西南部の地域の防人とその妻によって詠まれたものです。

わがかどの かたやまつばき まことなれ わがてふれなな つちにおちもかも

くさまくら たびゆくせなが まるねせば いはなるわれは ひもとかずねむ

しらたまを てにとりもして みるのすも いへなるいもをまたみてももや

あさがほ  朝顔は桔梗のこと

f:id:hisakyonsan:20220825111305j:image朝顔は 朝露負ひて 咲くと言へど 夕影にこそ 咲勝りけれ 巻10 2104 詠人未詳

 

万葉集では朝顔といえば、桔梗のこと。秋の七草を詠んだ山上憶良の歌の中に入っている。秋の花は慎ましやかでどこか寂しげである。

この桔梗の紫の美しさ、万葉人もその美しさに魅了されていたのだろう。

藤袴

f:id:hisakyonsan:20220822153151j:image友人からフジバカマを頂いた。今までこの花を見たことがなく秋の七草万葉集に詠まれていても実物がわからなかった。お陰でじっくりと見ることができ嬉しい。若い頃はこういった地味?な花には興味がなかったがこの歳になってみると言うに言われぬ魅力を感じるのだから不思議。

 

萩の花 尾花葛花 なでしこの花 をみなへし また藤袴 朝顔の花 

                  巻8 1538 山上憶良

 

思い草

義母が亡くなり一年が経ちました。万葉集の研究者でもあった義母のたくさんの資料の中に「万葉集の花」があり付箋がついたページを開けるとこの南蛮きせるの花が咲いていました。この花は別名「おもひぐさ」と言います。

 

道の辺の尾花が下の思ひ草今さらさらに何か思はむ  巻10 2270

亡き義母の付箋貼られし万葉の花の頁におもひぐさ咲く 恭子